株&投資信託の確定申告における経費は?

投資信託売却時の利益を確定申告する際の経費ってどうなっているのでしょうか?株・投資信託の経費算入項目と節税費ついて考えます
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株&投資信託の確定申告における経費は?

株や投資信託の経費僕は個人事業主なので常々思うのですが、経費って重要です(笑)

なぜなら、税金の計算の元になる課税所得は、「収入-経費」で決まるため、所得額が同じなら経費を多くできた方が税金が少なくてすむからです。

なら、「株や投資信託でゲットした利益でも経費が使えれば税金が安くすむんじゃないの?」と思いたくなるのが人情なのですが、意地悪な国はそう甘くはありません。。。

なぜなら、先に説明した総合課税と分離課税で経費の扱いが違うからなのです。

細かいことは気にせずざっくり言っちゃうと、総合課税対象の収入に関しては割と幅広く経費が落とせて、分離課税の収入に関しては経費の項目が限られているっていう感じでしょうか。

とはいえ、総合課税の中でも経費が使える収入にはかなりの違いがあり、所得の種類ごとに「控除」が認められているものに関しては経費が制限されている場合もあります。たとえばサラリーマンの給与所得は総合課税の仲間ですが、給与所得控除が経費分と考えられるため、それ以外の経費は殆ど認められません。

では、ざっくりとした話はこれくらいにして、それぞれの所得について考えてみたいと思います。

と、その前にご注意。。。
実は経費の可否って税務署によって考え方がエライ違うんですよ。あっちでいいものがこっちでだめだったりって、結構あったりして。

僕は、「必要な経費はどんどん主張すべき」だと思っていますので以下は、とりえあず経費だと思うものはどんどん主張しちゃおうよという姿勢で書きますので、そこら辺よろしくお願いします(汗)

総合課税(外貨預金の為替差益、外為証拠金取引(FX)の収益)

総合課税に含まれる外貨預金の為替差益や外為証拠金取引(FX)の収益は、総合課税対象の雑所得として確定申告します。

雑所得はその名の通り、その他の所得に含まれない雑多な所得なのですが、雑所得に関しては経費の計上が認められています。たとえば、執筆活動に使用するパソコンの購入費用なんていうのもオッケーです。

ネットで外貨取引をする際に使うパソコンやネットの接続料も当然必要経費だと思うので、とりあえず主張しておくのが良いのではないかと。(ただし認められるかどうかは税務署の判断次第で、ダメな場合は修正申告となります)

源泉分離課税(預貯金の利子、株式の配当&投資信託の分配金)

預貯金の利子、株式の配当&投資信託の分配金、MMFの分配金は、通常、収入が発生した時点で10%の源泉徴収が行われて支払われます。

こういった方式を源泉分離課税といい、この場合は経費等は基本的に認められないようです。

また、株式の配当&投資信託の分配金に関しては、源泉徴収された後、他の所得と合算して総合課税対象として確定申告することも可能です。

この場合でも経費等は認められませんが、その代わり配当控除として一定の税率が差し引かれます。

配当控除では、すべての所得である総所得金額が1,000万円以下だと12.8%(所得税10%+住民税2.8%)、1,000万円を超えると6.4%(所得税5%+住民税1.4%)を累進税率より差し引くことができるとされています。

平成21年3月までは、源泉分離課税時に配当に掛かる税率が10%ととなっています。
総合課税では、その他の所得と合算した総所得金額で税率が決まるので、自分の所得金額に応じた「税率-配当控除」が10%より多いか少ないかで損得が決まります。

概ねイメージ的には、一般的なサラリーマンで給料以外の収入がない場合、6~700万くらいの年収が分かれ道になりそうですが、家族構成によっても大きく違うので会社から交付される源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を確認してください。

損得の分かれ道は、「給与所得控除後の金額+利子や配当の合計額+その他の所得」が330万円を超えるかどうかで判断できます。

越えない場合は、総合課税として確定申告した方が得、越える場合は源泉分離課税のまま放置する方がお得です♪

申告分離課税(株・投資信託などの売却益)

申告分離課税対象となる株や投資信託の売却益に関しては、それらを購入するために要した費用について経費算入が認められています。

購入に要した費用について「措置法第37条の10《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》関係」では、「株式等を購入するに当たって支出した買委託手数料(当該委託手数料に係る消費税及び地方消費税を含む。)、交通費、通信費、名義書換料等をいう。」とされています。

通信費と書いてあるので電話代やネットの接続料が経費にできるのでは?と思って税務署に問い合わせてみたのですが、事業としてやっているのでなければ認められないというつれないお答え。

一般的には手数料のみが経費と認められるようです。

しかし、それで納得してはつまらないので「事業としてというのはどういう基準なのですか?」と聞いたところ、そこには明確な基準はないみたいで、申告者本人の思うところで申告して良いとの回答でした。

もちろん、申告したものの税務署が認めない場合は、修正申告するように指示がくるのでその場合は従わなければなりません。

確定申告における経費のまとめ

日本の法律では、税金は申告納税制度となっています。
これは納税者本人が自分の経営状況を適切に判断し申告するというのが前提の制度です。

つまり、こっちから言わない経費は税務署は考慮してくれません。

また、経費として認めるかどうかについては税務署側にも明確な基準がない場合が多く、万が一指摘があった場合に、その経費の必要性について論理的に説明できるかどうかで判断されてしまいます。

納税は国民の義務なので払うべきものは払いますが、かといって多く払う必要はありません。

なので、結論としては「これは株や投資信託で利益を上げるために必要な経費なんだ!」と論理的に説明できそうなものについてはどんどん計上してみてはいかがかと?

ただ、あまり悪質だとそれなりのペナルティがあるので、あくまで見解の相違程度で収まる形で・・・

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投資信託の税金と確定申告
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敗者と勝者のゲームのエルです。

大変有益な情報ありがとうございました。
非常に参考になりました。

私のブログでも、是非ここを参照させるよう皆さんにオススメしたいと思います。

リンクも張らさせていただきます。

エルさん、こんにちは!
いつもエルさんのブログで勉強させていただいているので、たまにはお役に立てて幸いです♪

税金はなるべく払いたくないんですが、国の策略なのか仕組みが非常にややこしく、もう面倒だからいいや!って思うように造られています(笑)

でも少し勉強すれば、余分な税金を取り戻すことができるので是非いろいろ情報交換させてくださいませ~

リンクでご紹介いただきありがとうございます♪

源泉分離課税(預貯金の利子、株式の配当&投資信託の分配金)について1つ質問させてください。

上記の分配金に関するご説明は、国内の分配金に関するものと思いますが、二重取りされている米国ETFの分配金を取り戻す際には、このような損得を考慮する必要はあるのでしょうか?

実は、私のトラックバックしたエントリーに、う~さんから質問が届きました。

もし、よろしければご教示いただけると幸いです。

エルさん、こんにちは。

えっと、すいません。。。
僕は投資方面がまだまだ素人で、ご指摘の
>二重取りされている米国ETFの分配金
というのが、どういう状態なのかちょっと分からないのです(T T)

仮に海外で取られて且つ日本でも税金を取られていて、日本の税金を確定申告で取り戻すとなると、上記に書いたのと同様だと思ったりもするのですが、仕組みがイマイチ理解できていないので、あんまり自信がないです~

米国株や米国ETFの配当金・分配金は、国内税10%に加えて、国外税10%が源泉徴収されています。
そこで、確定申告して、二重払いしている国外税分を取り戻すことが可能です。

配当金・分配金について確定申告して損得の議論は、国内に限ったものというのが私の理解です。

エルさん、こんにちは。
なるほど、そういうことになってるんですね。

ポイントは海外で課税されている所得が、国内で言うところの所得に含まれるかどうかだと思います。

海外ETFの場合でも、確定申告の際に配当所得として計上し、それが総所得に含まれる形となるはずなので、基本的には国内と一緒なのではないかと。

ただ、源泉徴収されている税率が1-0.9X0.9=0.19(19%)なので、国内よりもお得度は高いと思います。

配当控除を考慮すると、累進課税による税率が31.2%以上だと損することになると思うのでかなり年収の高い方(控除後の課税所得で900万円以上!?)以外はオッケーになるのではないでしょうか?

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